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2006年を迎えて

 挨拶がすっかり遅れましたが、明けましておめでとうございます。バタバタしているうちに過ぎた正月休みでした。前回のエントリに続き、最近思ったことに関して軽くコメントして今年のスタートにしたいと思います。

・小泉首相の前原氏へのアプローチ
 大連立を持ちかけたりとかの話題が昨年あったが、今でも類似の発言を繰り返しているようだ。確かに奇妙なインパクトはあり、ニュースのネタにはしやすいが、何の思惑かと騒ぐマスコミの論調には私は違和感を持つ。というのは、民主主義政体下で議会政治を営む場合は、多数派を形成する努力をすること自体は当たり前すぎるほど当たり前の事だからだ。小泉首相が異論を切り捨てるのを責める、マスコミのその同じ会社が多数派形成に違和感を唱えることがある。矛盾としか言えない奇妙な報道であろう。私見では、自己の勢力が衆参両院で2/3に達するまでは、多数派形成の努力は目標とする政策が歪められない限り推進するのは自然な姿と考える。まして前原氏周辺の民主党右派は小泉首相との政治的距離が最も近いとなればこれは当然だ。
 ここでちょっとつまらない妄想を付け足してみよう。小泉首相は、自民党の次期総裁選には出ないと言っている。しかし、二度と内閣総理大臣をやらないとか、他党の党首にならないとは一言も言っていない。(当たり前だが)ということは、自民党の比較的リベラルな勢力を率いて社民党もどきの連中を叩き出した民主党に合流し、そこでまた首相職をやるというのは嘘を言ったことにはならないかなと思う。これで自民党に安倍氏や麻生氏のような親米の合理的な伝統主義者が残れば、何とか格好のついた二大政党制にはなる。

・在中領事館職員自殺問題
 これは様々な見方があろうが、私の直感としては、ほぼ純粋な国内問題ではないかというものだ。ここ数年の日本の対中姿勢は複雑だが、国内的に親中勢力を叩き出す過程で、この経緯が良く分からずに当の中国も振り回されているというのが実情だろう。日本の外務省の高官が大事にしないでおこうと約束をする。それが裏で決めるうまい落としどころに見える内容だと、中国の国内的な慣習にも合致する面もあり、当面は納得してしまう。しかし後でひっくり返ると、民主的な政治の伝統の無い国であればそれは陰謀論的な解釈をしてしまうのだ。相手が中国だから先方が悪く見えてしまうが、民主主義国以外に似たような対応をすると反応は大差なかったりする。
 日本がかつて米国相手に裏でこっそり似たような交渉をしてひどい目にあったことは多い。もちろんそれでうまくいく場合もある。しかし、民主主義国相手の外交は、表に回って議会の決議が取れるまでは何も決まっていないのと同じだと考えるくらいで良いだろう。中国が日本の衆参両院の決議を重視するようになるまで、この種の摩擦は続くだろう。
 この件、切込隊長氏は取引的なことも疑っているようだ。(参照)中国側はそんな思惑があるかもしれない。ただ、日本側は違うだろう。これは一貫して(中国をネタとしながらも)国内の政治路線の問題として扱われていくだろう。内閣直属のODA庁が出来たあたりが仕上げとなろうか。

・北朝鮮問題
 誰もが薄々分かっているとは思うが、相当に非人道的な事実を日米政府は知っており、発表すると国民が苛烈な反応を示して後戻りが出来なくなるから押さえているというのが実際のところであろう。どのみち金正日だけはどうにかしないといけない、というところか。ここ最近はそういう情報を注意深く小出しにしているという印象もある。そして中国というよりは韓国の世論醸成、支持とはいかなくてもギリギリ黙認を目指しているのではなかろうか。もちろん韓国から米韓同盟を切れば別であるが、それは絶対にない話だ。で、このまま普通に考えていくと・・・・秋あたりに外交が破綻しそうだ。小泉首相辞められるのか?

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