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欧州における宗教の取り扱われ方

 首相の靖国参拝問題で政教分離の原則がまた話題になっている。裁判の内容に関する議論は色々あれど、全般として政教分離の原則を厳しく判定したという事実ではある。世界的に見ても日本はこの付近の厳格さが比較的受け入れられる傾向があるようだ。

 欧米諸国で、日本以上にこの種の政教分離へのこだわりが強い国となるとフランスだろうか。この国は人種差別は少ないかもしれないが文化差別は強く、その意味では日本との共通点も多い。母国語がペラペラな黒人に対しては両国とも比較的対応が温かいだろう。イギリスとなると、異質なものを抱え込んで割と平然としているという印象がある。その付近の図太さは万事に完全主義の日本人に真似をしにくいかもしれない。欧州の事情ということで、比較的リベラルな立場からのル・モンドの記事があり、なかなか参考になる。日本はというと、独伊あたりの比較的保守層が近いと言えるかもしれない。ただ日本は宗教が持つ倫理的な縛りの部分を儒教の伝統が補っており、死生観などの方に宗教の役割が集中している。そのためややフランス的な感覚も受容される余地があるのだが、この付近は欧米人にちゃんと説明してもなかなか理解されない事ではある。

 フランスがこのような文化状況になったのは、やはりユグノー戦争のせいと言えるだろうか。概して内戦はその国の歴史的記憶に大きな傷を残すが、今日先進国といわれる国の中では、米国の南北戦争に次ぐくらいの影響が残っているのかもしれない。期間も長いし犠牲者数も多い。これが16世紀後半であるから、思えば日本の発展段階は遅いというほどでもなかった。後にこれまた悲惨な三十年戦争が発生するが、そもそも統一国家の成立時期が遅いドイツではまた違った記憶となったのかもしれない。対外戦争の延長でドイツは被害者的に考えたのだろうか。むしろ19世紀後半から20世紀前半のドイツ人の屈折の原点かもしれない。

 欧州では民族とか人種という表現をすると一直線に宗教に結び付く傾向がある。昔から日本はこの付近の感覚がないせいでコミュニケーションに失敗している。ナチスドイツがユダヤ人をどう定義したかというとそれは宗教である。日本人は自分達だけ黄色人種と屈折しているが、欧州内での違いが無視できるほど小さいわけでもない。他国とは多少外見で距離がある、程度に構えて平然としていれば良いだろう。この日本人の屈折は昔からのものなので根が深いのだが、例えば国際連盟創設時の人種差別撤廃提案などでの失敗などがそれを象徴する。当然欧州ではその多くを宗教と捉えたわけで、第一次世界大戦の発生経緯を考えるだけでも簡単に通るわけがない。この種のギャップがそれなりに政治のレベルで解消されたのは驚くほど最近の事だろう。もちろん日本のマスコミや世論のレベルではまだまだであるが。

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Comments

>ナチスドイツがユダヤ人をどう定義したかというとそれは宗教である。

へぇ~
じゃあ、キリスト教に改宗していれば強制収容所にも送られなかったわけね?バカ?

Posted by: jdfvjdf | 2005.10.05 at 11:45 AM

ドイツ語が分かれば引用するのですが、まぁ英語の引用でご勘弁という事で。

http://www.adolfhitler.ws/lib/genocide/bandh2.html
Article 1-(3)参照。同(2)に該当文書指示、下記。

http://www.mtsu.edu/~baustin/nurmlaw2.html
Article 5参照。

Posted by: カワセミ | 2005.10.05 at 11:42 PM

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