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衆院補選結果

 民主党側の不祥事から始まったこともあり、薄々今回は自民党が勝つのではないかと思っていたが、都市部ということもあり判断は微妙だった。今回意外だったのは得票差である。いくら低投票率とはいえ、都市部でこの票差は近年にない状況だ。(参照)低投票率でのこの票差は政治的な関心の高い良質な無党派層を民主党が逃したというような結果ではないか。誰もが思う事ではあるが、今回の選挙は確実に対中でのトラブルが影響したと思われる。つまり、あまり勉強する必要が無い、実務能力や経験を確実に有している人材に流れたと思う。
 安全保障問題が怪しくなると国民はリスクを取りにくくなる。日本の民主党はそこそこには頑張っていると思うが、近年の米国民主党と同様の悩みを抱えていると思う。確かに野党第一党としてはかなり強力にはなってきた。しかし国民の「安心」に対する要求水準の向上速度のほうがやや速いのではないか。

 この政党の問題は外交面と政党としての権威の二つに尽きる。内政に関しては色々ありながら今の日本はそれなりにリスクを取れる。現実感のある外交をどの程度継続可能かということが問題だ。対米を中心とした対民主主義国の外交で継続ないしは向上が見込まれると国民に判定されるのは大変だろう。
 後者に関しては少し補足を加えておきたい。菅党首が以前年金問題で辞任した。率直に言うとこういうところが駄目である。もちろん直接的にこの問題は感心できるものではなかった。しかし、野党第一党の党首というのは、政権交代すれば内閣総理大臣となり、この国のトップとなる。海外に目を転じると、それこそイラク戦争の成否のような大問題が発生して、それでも辞めるか辞めないか微妙、辞めるとしてもその下の国防長官クラスか、というのが相場だろう。それほど地位は重く、ちょっとやそっとの事で替えてはいけないし、また決定するときにそれだけの重みを持っておかねばならないのだ。あの問題が起こった瞬間私は直感的に「この問題では本人の資質がどうであろうが辞めさせるに辞めさせられないな」と感じた。しかし結果は残念極まるものであった。なお念のために菅氏に対する自分の評価を書いておくが、「小泉氏とそっくりで、やらせてみないとどうなのか全然分からない」である。政治家にはたまにこういうタイプがいる。うまくいけばブレア型の芯の強い強力な指導者、駄目に転べばボロボロであろう。中間はあるまい。ちなみに岡田氏はというと、すっきりと全然駄目だと判定できて楽である。自民党と民主党の本質的な差は比較的少ないので、党首を中心とする執行部の人材は最重要なファクターなのだが・・・・

 まぁ、小泉首相の在任中は様々な意味で与野党共に動きを取りにくいので、その後でどうかというところであるが、これも大変なことになりそうだ。来年秋というのが絶妙な時期である。北朝鮮情勢がとんでもないことになっていていつ戦争になるか分からず、とても総理が代わってられる状況ではないのではないか。ブッシュ大統領と仲もいい事だしとりあえず留任、という可能性が高そうに思えて仕方が無い。何しろこんな予定(8月31日欄)も控えている。何の予定になるやら・・・・・

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